何度も挫折を味わったホッパー役デヴィッド・ハーバー

Stranger Things
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今ではストレンジャー・シングスの愛すべき警察署長ホッパーをデヴィッド・ハーバー以外の人が演じてるなんて信じられませんが、彼はこの役を獲得していなかったかもしれません。
実際にストレンジャー・シングスで成功を収めるまでの40年間、沢山の苦悩を抱えてきました。
試練を乗り越えてきたホッパーとは共通点も多く、デヴィッド自身も「人生を変えた運命の役」と認めています。

今回の記事ではホーキンスの型破りなヒーローであるジム・ホッパーと、役を演じるデヴィッド・ハーバーについて紹介していきます。

※このコンテンツにはメンタルヘルスに関するトピックが含まれています

Jim Hopper(ジム・ホッパー)について

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都会で幸せな結婚生活を送っていたジム・ホッパーは、悲しい出来事と離婚を経験し、ひとり故郷へと帰ってきます。
自暴自棄な生活を送りながら、大きな事件もない田舎町ホーキンスで警察署長として働いている彼の元に高校時代の友人ジョイスがやってきます。

息子が消えたというジョイスの話を最初はまともに取り合わないホッパーでしたが、徐々に単なる家出ではないことに気付き事件を追い始めます。また真相に近付くにつれ自分自身の過去とも向き合うことになります。

キレやすく破天荒、仲間のためなら自ら危険な場所にも飛び込むタフなホッパーですが、一方で愛情表現が下手で不器用なところが憎めないキャラクターです。

シーズン2以降はイレブンやジョイスとの関係からホッパーの心境にも沢山の変化が起こり、その不器用さに笑ってしまう場面も多いですが、とても愛情深い一面に思わず涙が止まらないシーンも多いです。


デヴィッド・ハーバーの生い立ちと経歴

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本名:デヴィッド・ケネス・ハーバー(David Kenneth Harbour)
1975年4月10日 ニューヨーク州ホワイト・プレインズ生まれ

ブロードウェイ俳優として活躍していた父親が幼少期に亡くなり、不動産業をしていた母親に育てられます。父親の影響と舞台「ハムレット」を観た事で、演技に憧れを抱きますが引きこもりがちな子供でした。しかし演劇会で舞台に立つと自分を素直に表現できる事が何より楽しいと感じ、父親と同じ俳優を志すことを決めます。

アイビーリーグの名門校ダートマス大学で演技を学び、ブロードウェイなどの舞台で俳優としてのキャリアをスタートさせます。トニー賞にノミネートされた経験もあり、その後は活動の場を映画やテレビへと広げていきますが俳優として安定した仕事を得ることに苦労をし沢山の挫折を味わいます。

そういった苦労や人間関係の悩みなどから20代でアルコール依存症や、双極性障害に苦しみ入院していた時期もありました。
メンタルヘルスの問題を抱えながらも、沢山のオーディションを受けますが成功を掴むことが出来ません。そんな状況から自ら命を絶とうと考えたことがあったというデヴィッドは飼っていた子猫をみて「この子は私がいなくなったら誰が面倒を見るんだ?この猫を愛しているし、この子も私を必要としている。」と思いとどまることが出来たそう。

すぐにでも路上生活者になりそうな時期が何度もあった。しかし、私には幸運にも支えてくれる家族がいました。心の病は、薬だけで治る問題ではなく社会的な要因もあるのではないでしょうか。(お金がないから)ランチを買ったり、お店で買い物をして店員と会話を楽しむといった社会への参加ができない状況では人はおかしくもなります。

デヴィッド・ハーバー(自身も苦しんだメンタルヘルスについて)

長年メンタルヘルスの問題を抱えながら、下積み時代を過ごしたデヴィッドは気が付けば40歳になっていました。「私は40代になってもまだ家賃をどうやって払おうかと悩んでいた。その現実に非常に動揺していました。」当時をそう振り返る彼についにチャンスが訪れます。

ストレンジャー・シングスのオーディションが始まったのです。
しかし当初ホッパー役は別の俳優に決まっていました。デヴィッドは代役として選ばれましたが、こういった状況を何度も経験していた彼は諦めきっていたそう。ですが、決まっていた俳優がスケジュール変更により出演が難しくなり、彼は再度オーディションに呼ばれ見事ホッパー役を勝ち取ります。

成功しないと思っていたストレンジャーシングスは社会現象に

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長い下積み時代を経てついにジム・ホッパーという運命の役を掴んだデヴィッドですが、撮影が開始された当初はストレンジャーシングスが失敗すると考えていたそう。

自身を含めて知名度の低い俳優たちが起用され低予算での制作の上、制作総指揮を務めるダファー兄弟も当時はまだ無名のクリエイター。そんな背景もあり撮影が始まっても絶対にこのドラマはヒットしないと思っていました。当初「モントーク」になるはずだった同作が「ストレンジャーシングス」にタイトルを変更すると聞かされた時はその不安がますます大きくなり、ダファー兄弟に猛反対したそうです。

話し合いを重ね、最終的に彼らの考えに同意したデヴィッドに対しダファー兄弟は「私たちの意見に居心地の良さを感じない時、彼は自分の思いをしっかり伝えてくれます。そのような時に話し合った事は作品をより強いものにします。彼のように作品を気にかけ、意見を交換してくれる人と仕事をするのが好きです。」と語っています。

そんな当初の予想とは反対に、ストレンジャーシングスは配信直後から大ヒット。
この時のことを長い下積みを経験したデヴィッドは「携帯には150人ぐらいの連絡先が登録されていたけど、実際に連絡をとるのは恋人を含めて8人ほどだった。でも配信直後に本当に沢山の人からすごく良かったって連絡がきたんだ。そんなことは初めてだった」と振り返っています。

2017年、SAGアワードでこの年のドラマ部門賞を勝ち取るとキャストやスタッフと共に壇上に上がったデヴィッドは政治問題で揺れる世の中に向けて力強いスピーチを行いました。
会場はスタンディングオペーションとなり、多くの俳優が彼の勇気を称えました。

私たちは皆人間であり、生きているという苦痛ながらも喜びに満ちた旅において、皆一緒にいるのです。我々は『ストレンジャー・シングス』という物語の一員として社会のいじめっ子たちを撃退します。はみ出し者や社会的に居場所のない人々、家のない人々に一人じゃないと知ってほしい。私たちは嘘を乗り越え、怪物を狩ります。私はホッパー署長のように、弱者や社会的に疎外された人々を破壊しようとする人たちに向かってパンチを放ちます。

デヴィッド・ハーバー(2017年 SAG アワードのスピーチにて)

今回はStranger Thingsのジム・ホッパーと役を演じるデヴィッド・ハーバーの経歴について紹介しました。
次の記事ではデヴィッドの人生がホッパー役を通して変わっていったことや、彼の人生が作品に与えた影響、シーズン5での注目点についてまとめていきます。

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